利用者の満足と家族の安心が第一、「相手に寄り添う」がモットーの訪問介護
常に利用者と家族の立場に立った訪問介護サービスを
大阪府門真市にある訪問介護サービス「株式会社ホービス」は、訪問介護や居宅介護、障害福祉サービスを中心に事業を展開しています。代表取締役の内山照子さんは、介護の道に30年以上たずさわってきた介護のエキスパートです。
「ほかの介護施設でお世話が大変だからといって断られたお年寄りや、特別養護老人ホームが合わなかった人など、介護に困り果てたご家族の相談が後をたちません。いわば訪問介護の駆け込み寺とでも言いましょうか」と冗談交じりに笑顔で話す内山さん。多くの人が訪れるのには理由があります。
内山さんは、常に利用者の満足と家族の安心を第一に考えています。「利用者のご家族の意見や都合を聞いて早朝や深夜、24時間いつでもお伺いします。なかには、介護するご家族の仕事が深夜におよぶこともありますし、家庭によって生活スタイルは違いますから。家の事が気になっていては、ご家族の日々の生活や仕事に支障をきたします。料理や掃除、食事やシャワーのお手伝いなどご家族に精神的にも肉体的にも休んでいただけるよう、利用者やご家族のために親身になってお世話します」
「訪問介護で一番大事にしていることは“コミュニケーション”です。たとえば、ホームヘルパーの資格を取る時に、利用者のことを名前で呼ぶよう教えられますが、実際に名前じゃなく『おばあちゃん』と呼んでほしいという人がいました。テキスト通りではなく、相手がどう呼ばれたいかを聞くのがコミュニケーション。お年寄りにとってはささいな事が本当に大事なんですよ」
「私たちは“お人よし”の集まりなんです」と笑顔で話す内山さん。利用者と家族が望むことをしっかり聞きいれ、親身になって対応するホービスのスタッフやヘルパーの皆さんが、利用者や家族から信頼されるのもうなずけます。
ヘルパーが悩まず楽しく快適に働けるように行われる研修会
スタッフ指導にも熱心な内山さんは、2か月に1回ヘルパー研修会を開いています。「前回は、お年寄りの気持ちを初心に帰って理解しようと、樋口了一さんが歌った、年老いた親が自分の子どもへ向けた歌『手紙~親愛なる子供たちへ~』を教材として取り入れました」。次の研修会で使う「職務遂行のための基本的能力リスト」のチェック項目は、基本的介護のほかにコミュニケーションや責任感、意欲など細かく分けられ質問事項は100以上におよびます。利用者のことを思って開かれる研修会は、ヘルパー側にとって何か問題や疑問が起きた時に自分だけで抱え込まず、みんなで相談し解決していける貴重な場所を作りたいという内山さんの気持ちの表れでもあります。
「自分や相手の体の動きや体重を使って、ヘルパーの肉体的負担を軽くできる古武術を取り入れた介護方法を研修に組み込む予定です。利用者も介護するヘルパーも楽になりますから」。利用者はもちろんのこと、常にヘルパーやスタッフのことを気にかけている内山さん。「ヘルパーが楽しく快適に働くことができれば、おのずと利用者も笑顔になります」
「介護保険では規制もあって、してあげたくてもできないこともあるのが事実。ただ、人と人とのつながりは法律で対応できないこともたくさんあります。『できない』と受け入れないのではなく、ほかの面でどれだけ誠心誠意ケアして満足してもらうかをスタッフ一同、常に考えています」
「ホービスさんに出会えて良かった」という言葉が原動力になっています
内山さんは毎週末、兵庫県にある畑で無農薬の野菜や米を育てるのが趣味なのだそうです。「利用者の皆さんと、いろんな花や野菜についてお話しすると、『いつか畑に行ってみたいわ。早く元気になろう』と喜んでいただけるんです。私の方が、皆さんとお話をすることでパワーをもらっているんですよ。利用者やご家族の笑顔が、私のエネルギー源になっています」
「以前、介護が心配で結婚をなかばあきらめていたという重度介護者をお持ちのお嬢さんにお会いしました。じっくり話を聞いて、いろんな介護の提案を何度もさせていただいて、最終的には心から安心してご結婚なさいました。最近では、“介護疲れ”などという言葉もありますが、介護に対する悩みはつきないもの。一人で悩まず一度相談してほしいと思います」
「利用者が長い間暮らしている家で、私たちのことを家族の一員がいるかのように思っていただけるような介護を続けていきたいと思います」。終始笑顔を絶やさず、明るくパワフルな内山さん。利用者からのクチコミや紹介が絶えないのは、内山さんとホービスの皆さんの温かい人柄と思いやり、介護に対する熱い思いと言えるでしょう。
(取材年月:2009年11月)