読売新聞
細田 泰男 (新しい技術で、耳鼻咽喉科の日帰り手術を推し進めるプロ)
医療法人「細田耳鼻科イヤークリニック」

細田 泰男 ほそだ やすお

治せる病気を手術で治さずに一生つき合う。これは、間違いです

耳と鼻の日帰り手術に特化。寝ている間に手術は終了

 「治療については、症状を見て終わりの見えない通院治療より、病気の根治を目指した手術を行います。手術により病気とさよなら、病気を終わりにしようとの思いからです」。院長の細田泰男さんは、治療の関する信条をこう語ります。手術にこだわるだけあって、手術支援機器の開発や新しい手術方法の開発にも、積極的に取り組んでいます。

 手術にこだわるのは、なぜ?
 「治せる病気を手術で治さずに一生つき合う。これは、間違いです。耳鼻科医は勤務医の時は積極的に手術をやりますが、開業するとメスを置くケースが多いようです」と語ります。
 さらに、手術後、日帰りできるのが特徴だとか。
 「何で日帰りが出来るのですかという質問には、何で入院しなければいけないのですか、と逆に質問します。欧米では日帰り手術が普通です。昔なら2、3週間も入院した手術を日帰りでできます。入院する以上の治癒成績を目標としています」
手術は日帰りでも、それまでの準備は万全です。2週間前に心電図・採血検査、1週間前には手術の目的・スケジュール説明が行われ、当日は手術終了後、帰宅できます。手術した患者には細田さんの携帯電話の番号を教え、術後のどんな相談にも即時に対応できます。
 日帰り手術は、年間約600例。2009年の場合、耳の鼓膜形成術30例、鼓室形成術35例、鼻は内視鏡下副鼻腔手術(ESS)127例、鼻中隔矯正術142例、鼻腔粘膜焼灼術(アレルギー)290例。細田院長をはじめ日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医を取得した常勤の医師が3人、看護師が4人、それ以外のスタッフが10人います。

細田 泰男 イメージ

手先の器用さから手術支援機器の開発へ

 細田院長以外の常勤医師は大谷真喜子さん、野々田岳夫さんの2人。大谷医師は、「日本めまい平衡医学会」の専門会員にも認定されています。野々田医師は、鼻副鼻腔手術、中耳炎、腫瘍などが専門です。
細田院長は松江市出身、医学博士。和歌山県立医科大学卒業、関西医科大学耳鼻咽喉科で助手、講師を務めました。耳鼻科の日帰り手術の草分け的存在だった浜松耳鼻咽喉科サージセンターに勤務した後、2000年に開院。2006年から現在の豊中市北桜塚の2階建てビルに移転、手術室、回復室を完備しました。
 最初から医師を目指したのですか。
 「建築関係に進みたかったけど、早稲田の建築学科の受験に2回失敗しましてね。もう、これ以上つき合っていられないと」と苦笑い。今でも家を見るのが大好きで、オープンハウスがあれば、「必ず見に行きますよ」とか。手術支援機器の開発など物作りが好きなのは、小さい頃から建築にあこがれ、想像力を働かせるのが大好きだからでしょう。手先が器用で、家庭では机や棚、家具なども空間に合わせて作ってしまいます。こんな想像力の豊かさ、手先の器用さが、手術支援機器の開発や新しい手術方法の開発の原動力になっているようです。

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耳鼻科のエジソンとも呼ばれます

 開発された手術支援機器や手術方法を説明して下さい。
「中耳炎で音を伝える耳小骨に障害が起きた場合に用いる『軟骨接合型人工耳小骨』は、1992年に開発しました。患者自身の軟骨を接合するため、鼓膜との接着面での異物反応を抑制し、安定性を保てるのです。大学病院などで広く用いられています。『パワーパンチ』は、2000年に開発した蓄膿の内視鏡手術の支援装置です。この装置により非常に短い時間で、鼻タケの切断・除去など痛みの少ない安全な手術が可能になりました。『ジェットイリゲーションシステム』は、細いノズルから水を噴出して耳アカやウミなどの汚れを吸い上げて、洗浄する装置です。視界が明確になり、より正確で安全な処置が可能となり流水のもとで手術するため、感染予防にも貢献します」
こうした高度の手術を受けた患者からは、感謝の手紙が届いています。耳と鼻を手術した40歳代の女性は「耳の空気が抜けるような違和感がなくなり、嗅覚もすこぶる研ぎ澄まされました。長年の苦痛から解放され、生きる喜びが感じられるようになりました」と言います。
 これらの器具の開発により、従来なら長時間かかった手術が短縮され、日帰り手術が可能になりました。細田院長が医師仲間や医療機器メーカーの開発部門の人たちから「耳鼻科のエジソン」と呼ばれるのは、こんな所に理由があります。 

(取材年月:2010年3月)

PROFILE
氏名 細田 泰男(ほそだ やすお)
所属 医療法人「細田耳鼻科イヤークリニック」
事業内容 耳鼻咽喉科。CT検査装置を備えており、中耳炎、副鼻腔炎、めまいに伴う脳障害などの診断も可能。アレルギー鼻炎の治療である鼻腔粘膜焼灼術、鼻内形態を整える鼻中隔わん曲矯正術、鼻内内視鏡手術、鼓膜形成術、鼓室形成術など
専門分野 耳鼻咽喉科
特徴 手術といえば、怖い、痛い、入院といったイメージがあるが、新しい支援器具の開発、医療技術の開発により、日帰り手術を行っている。病気を素早く、確実に治すことを最大の目標としており、これは高い技術とコンセプトを持っているからこそできる。日帰り手術は、患者の負担軽減につながるだけでなく、従来の手術よりも高い治療成績を目標とする
職種 耳鼻咽喉科
住所 大阪府豊中市北桜塚2-1-13
電話 06-6853-0333
受付時間 午前10時~午後1時、午後4時~午後7時(ただし、土曜日は午前10時~午後1時)
定休日 日祝日、木曜日
サイト http://www.hosoda-cl.com/
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