日本の企業が世界で互角に闘えるようお手伝いをしたい
WEBで海外へ情報発信
ジャパンライブデザインは、ウェブサイトを通して「日本のいいモノ、いいトコロ」を海外に紹介する会社です。社員1人から設立できる合同会社として、2009年9月に設立されました。代表は松岡梨沙さん。社員は松岡さんのほかに現役の大学生1人だけ。ほかには英文の校正などを手伝う社外パートナーが数名の、本当に小さな会社です。しかし、ジャパンライブデザインからインターネットを通して世界に発信される情報は、英語が通じる約30か国、30万人が読むことができます。
具体的な業務は、英語によるウェブ・マガジン「Ginkgo Telegraph」の発行、海外向けウェブ広告、ウェブサイトの制作、マーケットリサーチなどを通して、企業の海外向けビジネスをお手伝いすること。「海外に販路を広げたいが、ルートもなく、どうすればよいかわからない」という企業を全力でサポートしています。
自慢は「検索エンジンでヒットしやすい英文キャッチコピー」。「どういう言葉がヒットしやすいかの判断、工夫が腕の見せどころ。単に日本語サイトを英訳しただけのようなカタコト英語のサイトも多いですが、うちではターゲットとする国や層の文化・慣習を十分考慮し、ネイティブによるチェック、リライトを入れた平易で簡潔な“伝わる英文”を提供しています」と松岡さんは胸を張ります。
学生ベンチャーの世界から独立
とはいえ、松岡さん自身は帰国子女でも留学経験があるわけでもありません。英語は独学。大学の専攻は教育学で、会社を設立するまでは筑波大の大学院で図書館情報学を研究していたそうです。
「実は二足のワラジで、大学に行きながら18歳から学生ベンチャーに参加して、ウェブ・マーケットの世界で働いていました。だから、未知の世界に飛び込んだというより、10年たって独立したという方が当たっています」。松岡さんが大学に入学した頃はITバブルの始まりで、ウェブやプログラミングがわかる人間はたとえ学生であろうと引っ張りダコ、ベンチャー企業は規模が小さいので営業からパブリシティー、調査まで何でも任され、それが今、ずいぶん役に立っていると言います。
たった一人の学生の社員は、松岡さんが苦手な分野、たとえば若い女性のファッション・トレンドなどに強く、彼女がリサーチし、取りあげたファッション記事へのアクセス数が非常に多く、イギリスのファッション誌から取材依頼が来たこともあるとか。「立派な即戦力です」。仕事の連絡や編集会議はメールとチャットで。大阪・北区の事務所には、松岡さんも月に一度くらいしか顔を出しません。パソコンさえあれば、自宅でも喫茶店の片隅でも仕事ができるのがウェブの世界の強みだと言います。
東洋の神秘と英知の象徴するイチョウの学名
「Ginkgo Telegraph」の「Ginkgo(ギンキョウ)」はイチョウの学名。西洋では一度絶滅し、鎖国時代の日本から持ち帰られて再び普及したことから、東洋の神秘と英知の象徴とされます。日本では当たり前にある、優れたもの、いいものを世界に発信しようという意気込みを込めて名付けました。会社のロゴマークもイチョウです。
ページをクリックすると、日本独自の素材や技術を用い、しかもデザインが美しい家具、インテリアなどの工業製品の紹介から、画像合成で特殊な効果を出した風景写真、若い女性に人気の日本発ファッション、東京・築地魚市場の楽しみ方・・・と、記事はバラエティーに富んでいます。記事を書いているのはほとんど松岡さん一人ですが、2、3日に1度更新され、ジャンル別に蓄積された過去の記事はすべて検索できます。広告は月1本だけ。「取材記事を増やして媒体としての価値を高め、本数を絞り込むことで広告自体の注目度も上がりますから」
また、海外向けのウェブサイトの制作や、商品やサービスを紹介する英文を作成する「ローカライズサービス」も受注しています。
「日本には世界に誇れる品質のいいモノがたくさんあります。でも、プロモーションが苦手なばかりにその良さが伝えられず、海外の製品に押されているのです。そういう状況を改善し、日本の企業が世界で互角に闘えるようお手伝いをしたい。まだ海外を視野に入れていない会社も、これからは海外にも目を向けて事業展開をした方が、新しい視野が開けますよ」と松岡さんは呼びかけています。
(取材年月:2010年4月)